重症化と合併症が怖い百日咳の予防法


細菌やウイルスが原因で起こる感染症の中には、抵抗力のない子供がかかると咳や発熱の症状が長引くものが少なくありません。
特に2歳以下の子供に多く見られる「百日咳」。これはその名の通り百日近くもつらい咳が続き、脳炎や肺炎などの合併症を起こしやすい怖い病気です。
昔に比べれば患者数は減ってきていますが、それでも時々学校や保育園などで局所的に流行する百日咳。まだまだ過去の病気ではありません。

長ければ半年続く百日咳の症状は?

最初に出てくるのは鼻水や咳などの風邪によく似た症状。そのうち顔を真っ赤にしてコンコン連続的に咳き込み、ヒューと笛のような音を出して息を吸い込む「発作性けいれん性」の咳をくり返すようになります。まだ呼吸器官が未熟な赤ちゃんは、激しく咳き込んだあとチアノーゼや無呼吸状態に陥ってしまうことも多いので、注意が必要です。
こんなつらい時期が3週間続いたあと症状は少し軽くなりますが、3か月~半年はふとしたはずみで激しい咳や発作がでることがあります。

一番深刻な合併症は「無呼吸発作」

小さな子供が百日咳にかかったとき一番怖いのは「無呼吸発作」です。脳が低酸素状態になればけいれんや意識障害を起こし、回復後も重い脳障害が残ってしまうかもしれません。
また、長時間の無呼吸は死に直結しかねない事態になります。看病しているお母さんは少し大変でしょうが、昼夜問わず起きる発作のあとに赤ちゃんがきちんと呼吸しているか観察しておく必要があります。

百日咳の予防にはワクチンが効果的!

生後3か月になってすぐに受けられる4種混合ワクチンを3~8週間隔で3回、その1年後に1回。これをなるべく早く完了させられるようなスケジュールを医師と相談しましょう。
もし感染してしまった場合は百日咳菌に有効なマクロライド系抗生物質での治療が可能です。この抗生物質には咳発作を抑える効果はありませんが、内服を始めてから5日ほどで体内の百日咳菌を退治してくれます。

おわりに

ここ最近目立つのは子供ではなく大人が百日咳に感染するケース。百日咳ワクチンの効果はそう長くは続かず、小学校を卒業するくらいには免疫が切れているというケースがほとんどです。大人が発症しても発作性けいれん性の咳は出まないため、まさか本人も自分が百日咳だとは思わないので、気付かないうちに感染源になってしまう可能性は十分にあります。
欧米に比べて百日咳予防策が10年遅れているといわれる日本。マスクの着用と帰宅時の手洗いを徹底し、周囲の大人たちの力でワクチン未接種の赤ちゃんや抵抗力の弱い子供を守ってあげましょう。

参考リンク

IDWR:感染症の話 百日咳
百日せき |厚生労働省