ほとんどの子どもが経験する小児喘息の改善法


「常に吸入器を手放せない」「発作を起こさないために日常生活を厳しく制限される」
こんなイメージが付きまとう小児喘息ですが、比較的症状が軽いものを含めると実はほとんどの子供が経験する病気でもあります。

特にここ最近は小児喘息患者の低年齢化が進み、半数の子供が2歳以下という早い段階で発症しています。また、そのうち3割がそのまま思春期喘息や成人喘息に移行してしまうという事実も見逃せません。まずは小児喘息の症状とその原因から見ていきましょう。

「小児喘息」の9割はアレルゲンが原因

のどからぜいぜいと音が出る「喘鳴」や、ときには呼吸困難を起こすこともある激しい咳。小児喘息の9割は「アトピー型」といわれ、特定の物質に対するアレルギー反応を起こしているケースがほとんどです。
常にハウスダストやカビ、ホコリなどのアレルギー原因物質(アレルゲン)にさらされているのどは、慢性的に炎症を起こした状態。これが続けば続くほど気管の粘膜は腫れ、気管壁は硬くなり、ちょっとの刺激で発作を起こしやすくなっていきます。最初は息をしたときや大声を出したときに咳き込む程度だったのが、そのうち「じっとしていても呼吸が苦しくなる」「突然咳が止まらなくなる」と重症化していくケースは少なくありません。

小児喘息改善のためには家族の協力が不可欠!

小児喘息治療の最大の目的は、「起きた発作を止めること」ではなくそもそもの原因にアプローチすること。具体的には「慢性化した気管支の炎症を抑える薬物療法」と「アレルギー反応を起こさない環境整備」がメインになってきます。医師に処方された薬を指示通りに飲ませるのは基本中の基本。
そして、アレルギー反応を起こしにくい環境を長期間維持していくことも家族の大切な役割です。子供の小児喘息改善のために、家庭で気を付けたいポイントを見ていきましょう。

  1. アレルゲンの排除
    ダニやホコリ、ペットの毛や花粉、カビは代表的なアレルゲンです。ダニが付着しやすいふとんや毛布、ぬいぐるみなどの布類はこまめに洗濯を。ダニの死骸や花粉を持ち込まないよう、表裏をしっかり叩いてから室内に取り込みましょう。身近にある布製品を、アレルゲンの付きにくい極細繊維や合皮製のものに変えるのも効果的です。
  2. きれいな空気と適切な湿度を保つ
    タバコの煙はもちろん暖房器具やエアコンのフィルター、換気の際に入ってくる乾燥した空気ものどへの刺激になります。
    空気清浄器を使って室内の空気をきれいに保ち、湿度はインフルエンザウイルスやダニが繁殖しにくい「40%~60%」をキープしましょう。
  3. 呼吸器系感染症に注意
    インフルエンザ、マイコプラズマ、RSウイルスなど呼吸器症状を伴う感染症にかかると、小児喘息の発作を起こしやすくなってしまいます。
    マスクの着用や手洗い、アルコール消毒など、家族みんなで感染症を持ち込まないための予防措置を徹底しましょう。

おわりに

大人になってからの喘息は小児喘息と違って完治が難しく、また症状も重くなりやすいやっかいなもの。ですが、小児喘息の7割はほとんど症状が見られない程度にまで軽快するといわれています。
それには子供のうちに専門医の元でいかに的確な治療を受けられるか、家庭で発作を起こしにくい環境を整えてあげられるかどうかが鍵を握ってくるわけですね。
また、アレルギー体質は遺伝しやすいものです。両親がアトピー性皮膚炎や喘息をもっている子供の発症リスクは、そうでない場合に比べて5倍高いといわれています。
早ければ生後3か月で小児喘息と診断されるケースもありますので、もし遺伝的にリスクが高いと思われるなら早めに環境を整えておきましょう。

参考リンク

きむら小児科 アレルギー科・小児科 気管支ぜんそく
小児ぜんそく|病気と治療の講義室|患者さんとご家族の皆さまへ|小野薬品工業株式会社