特に注意したいインフルエンザとインフルエンザ脳症


毎年冬になると猛威を奮うインフルエンザ。強い感染力をもち、高熱やけいれんといった重篤な症状を引き起こすだけでなく、インフルエンザ脳症などの合併症につながることもある怖い病気です。
ここ数年は新型ウイルスの登場や暖冬の影響で流行の時期がややずれ込むこともありますが、11月~2月が最も感染者数が増える「ピーク期」であることにはかわりません。そして、感染者のうち半数は0~9歳の小児。毎年のように小学校や保育園での集団感染が多数報告されていますので、小さな子供がいる家庭では特に注意したいものです。
本格的なシーズンが到来する前に、インフルエンザの予防法や脳症が疑われる場合の受診のタイミングなどを改めて確認しておきましょう。

「突然の発熱」から始まるインフルエンザ

ウイルスをもっている人のくしゃみや咳から「飛沫感染」で広がっていくインフルエンザ。
3日程度の潜伏期間を経て突然の発熱や悪寒、関節痛などの症状が現れるので、ただの風邪ではない」と気付くことが多いでしょう。

抗インフルエンザウイルス薬はウイルス増殖のピーク(発症から48時間)までに服用することが望ましいとされていますので、特に低年齢の子供の場合は「普段より元気がない」「身近にインフルエンザの感染者が出た」「38度以上の発熱がある」など感染が疑われる条件が揃っていれば速やかに医療機関を受診して下さい。

インフルエンザそのものが重症化すれば、その合併症である「インフルエンザ脳症」発症のリスクも上がります。

「インフルエンザ脳症」の兆候は?

日本でも毎年300人近くが発症しているインフルエンザ脳症。
脳障害や多臓器不全が見られるこの合併症は特に0~5歳の小さな子供に起こりやすく、致死率は30%程度といわれています。

早ければ発熱後数時間で発症し、急速に進行していくので、以下のような症状が見られたらまずは医療機関や救急相談センターに連絡しましょう。

  1. 意識障害
    話しかけても返事がない、うとうとし続けている
  2. 異常行動
    意味の分からないことを話す、行動がおかしい
  3. けいれん
    けいれんをくり返す

なお、インフルエンザ脳症は必ずしも発熱時に発症するわけではありません
熱が下がり始めても油断はせず、引き続きお子さんの様子をしっかり見守るようにしてください。

また、一部の解熱剤がインフルエンザ脳症の一因になるのではないかという説もありますので、処方された薬以外は飲ませないようにしましょう。

最も効果的な予防法はワクチン接種!

まだ集団生活を送っていない子供でも家庭内や外出先で感染するリスクは十分にあるので、接種可能年齢(6か月以上)になったら積極的に受けさせてください。
ワクチンの効果が現れるまで数週間かかるため、2回接種の必要がある12歳以下の子供は10月に入ったらすぐに1回目を受けさせましょう。

このとき、次の接種まで4週間の間隔が必要な生ワクチン(MR、ロタ、水痘など)との同時接種はあまりおすすめできません。

おわりに

2016年からは4種のウイルスに対して効果を発揮する「4価ワクチン」も導入され、インフルエンザ患者の減少や症状の軽減に期待されています。
ですが、医療関係者の間では「乳幼児にはインフルエンザワクチンはあまり有効ではない」という意見も少なくありません。

小さなお子さんをインフルエンザから守るためには、周囲の大人が感染対策を徹底し、流行期に人の多い場所に連れて行かないなどの配慮が不可欠になってきます。

インフルエンザやその他の感染症対策の基本になるのは、外出時のマスク着用と帰宅時の手洗いです。
まだ正しい手洗いが難しい赤ちゃんや小さな子供はアルコール消毒ジェルを活用し、出かけるときは子供用のジャストサイズのマスクを着用させてあげましょう。

参考リンク

インフルエンザ脳症はどうしたら予防できますか?
インフルエンザ脳症が疑われる症例の初期対応
インフルエンザ脳症ガイドライン